遥かなまなざしで
きみはギターを弾いていた
十五の秋の午後
ぼくと一緒にうたった歌をうたいながら
歌よ
瑠璃色に輝いていた昨日よ
何処へ行ったのだ
ギターの調べよ
夕日の匂いのする
あの丘の草むらの青春よ
湧き立つような思いよ
むせるような悲しみよ
そして お前
いつも吹いていた
エメラルドグリーンの風よ
ぼくたちの昨日を
お前は何処へ連れて行ったのだ
あれからふた昔
二十年ぶりの再会
みんな遠い
松林の向こうの潮騒のように遠い
だが はっきりと見える
はっきりと聞こえる
もう やさしくなりすぎたきみの目に
あざやかに映っている
ぼくたちの青春と
ぼくたちのむせるようなあの悲しみと
歌うしかなかった
思いの数々が
セピアの色で映っている