思い出の玉手箱  

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omoide
みなさん、思い出はもう過ぎ去ったことだと思っていませんか?
 それは違います。過ぎ去った時間は決して戻っては来ません。
  けれども 思い出はふと心の中に、あの時とは違う感慨で戻ってくるでは ありませんか。

 ぼくにとって思い出は明日です。
 これから出かけて行く目的地でもあるし、思いがけなく出会う愛おしさでもあるのです。
 ぼくの思い出への旅をよろしかったら 覗いてみませんか

     涼風にたどる思い出秋さやか  

     秘かにも誉れ掲げて夏終わる

     先生も子らも教え子秋日和

     憧れへ扉を開ける春を待つ 

     木もれ日も晩夏になりて立つ人と

     花たちに光の春をプレゼント   

     蟻の町マリアのまなざし遠い夏 

     陽だまりに思い出の影遠い秋  

     園児らと「おさかな天国」秋を舞う

     火を祈る夏のキャンプの夜の祭り  

     夏よ来い逃げる心音をつかまえろ

     待つ子らにサンタ演じて鈴の音

     頬杖に思いが通う居間の春

    その一日歩き疲れてパリの秋 

    行水の子を洗いつつ蝉時雨 

    教壇に立つ同窓の秋の宴

    青春に別れを告げて秋の道

    やわらかくクラリネットの秋の音

    幼子のお話しこぼし夏が行く

    温かい異国の伝説(はなし)秋の旅

    笛の音に面影揺れて夏の空

    やわらかく梅雨に抱かれて迎え傘

    クシベシとコロボックルや冬の風

    幼き日我に賜ひし弾き語り 
        つま弾く今宵お酒とふたり

   隠岐おもい波に晩夏の詩(うた)を聞く